北宋の学者、周茂叔(1017~1073年)は、「愛蓮説」という短い名文を書いた。その中で蓮の性質を次のように語っている。
予独愛蓮之出淤泥而不染、
濯清漣而不妖、中通外直、
不蔓不枝、香遠益清、亭亭浮植、
可遠観而不可褻翫焉。
わたしは蓮が好きだ。泥より出づるも泥に染まらず、
さざなみに洗われても悪い方向へ流されることがなく、
芯がしっかりしており外観はすらりとして立っている。
蔓も枝もなく ほのかな香りを漂わせて高々として立っている。
蓮は遠くより眺めるのがよく、近づいて手に触れるべきものではない。
この文章に出てくる「出淤泥而不染」(泥より出づるも染まらず)という言葉、聞いた話では中国人なら誰でもこの言葉を知っているらしい。
どんなに劣悪であったり、過酷であったりする環境にあっても、周りの悪い影響をうけず清く生きるという意味で、現在この言葉は使われている。
私も中国にあって、中国の見習うべきところは吸収し、中国の悪い習慣などに対しては「出淤泥而不染」(泥より出づるも染まらず)という態度でありたい。
☆Fools rush in where angels fear to tread.
(君子危うきに近寄らず)
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春餅という食べ物がある。春巻きに似た食べ物だが、春餅は油で揚げていない。実は、春巻きの原型が春餅で、春餅を揚げたものが春巻きである。調理技術の発達により、春巻きが生まれたのである。
春餅は東晋(317~420)の時代にはすでにあったという。当時、春餅は春盤と呼ばれており、毎年立春になると面粉で作った薄い餅を皿に敷き、その上に具を盛り付けて食べられていた。もともと、春餅というのは立春の日にだけ食べるものだったのである。
唐宋代になって、この風習はますます盛んになった。杜甫の詩にも、「春日春盘细生菜,忽忆两京全盛时」(立春の日に春盘に細かい野菜を載せたとき、突然むかしの長安と洛陽、二つの都の全盛時代を思い出した)とある。
春盘は五辛盤とも呼ばれ、ネギ・ニンニク・ニラ・生姜・大根などを盛り付けて食べられた。
春巻きは宋代(960~1279)あたりから食べ始められたようで、清代(1644~1911)になって庶民にも宮廷人にも、おやつとして食べられるようになった。128品の料理よりなる満漢全席、その中の9つの料理に春巻きが使われている。これほど貴賎を問わず広く愛された食べ物というのも珍しいのではなかろうか。
①これが春餅と呼ばれる生地である。
②このように具をのせて、
③巻いて食べる。
参考リンク
春卷的由来
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