プールを終えた後、付家庄の海岸を散策することになった。
海岸は大勢の人で賑わっていた。ここに来た人々の目的は一概に泳ぐためとはいえないようで、日光浴をする人、ビーチバレーをする人、パラソルの下でトランプする人、ビールを飲みながら談笑する人などさまざまであった。
3年前にここに来たときは気づかなかったが、海岸にはロシア人がたくさんいた。街のなかでロシア人を見かける割合と比較すると、この海岸にはその10倍近い割合のロシア人がいるように感じた。
私は友達に、大連で一番多い外国人はロシア人か、とたずねた。友達もはっきり知らなかったようで、「差不多」(まあ、そんなとこだろう)と曖昧な返事だった。
ビーチ周辺には羊肉串(ヤンロウチュアー)の屋台が軒を連ねている。羊肉串を売る人には新疆人が多く、なまりの強い中国語で客の呼び込みをしている。
私は友達と羊肉串を食べた。となりには6,7人の韓国人のグループが座っており、ときおり大きな声で談笑する韓国語が聞こえてきた。
羊肉串を食べ終えて、帰宅するバスの中でのこと。5人ほどの白人グループがバスに乗り込んできた。一見してロシア人ではないことがわかった。大連に来た当初はロシア人とその他の白人の見分けがつかなかったが、2年たった今は、すぐに見分けがつくようになった。
白人グループは積極的にバスの乗客に話しかけはじめた。私も彼らの近くに座っていたので声をかけられた。私は日本人だというと彼らのうちのひとりは日本語が話せるという。というわけで、日本語が話せる白人と30分ぐらいバスの中で話すことになったのだった。
白人の彼は日本語も話せるが中国語も話せた。そして、今は大連に留学中なので中国語のほうが日本語よりもスムーズに出てくる状態だった。結局、会話の8割は中国語での会話となった。(ときおり、ベースの中国語に簡単な日本語と簡単な英語が混じる)
彼はアメリカのユタ州から来たという。日本には4ヶ月留学経験があるとのことで、日本語の発音は白人にしてはうまいと感じた。来月8月に大連を経ち、また日本に行くのだという。
私たちが中国語で話しているのを見て、私の後ろに座っていたおばちゃんがぽつりとつぶやいた。
「うわー、この外国人の二人、中国語がうまいわねぇ」
おばちゃんが誰にいうともなしにつぶやいたのが、妙におかしかった。日本ではまずこんなつぶやきは聞かない。中国人が大好きなミスタービーンの一場面を見ているような気がした。
大連は今まで思っていた以上に国際的な街なんだなと感じた一日であった。
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